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その保険の名義、本当に大丈夫?|生命保険の契約形態と税金の関係にご注意

投稿日:2018年11月11日 更新日:

生命保険の契約名義と税金の関係

生命保険は、その契約名義によって受取時に発生する税金の種類が異なります。

たかが名義と思うかもしれませんが、契約者が夫なのか妻なのか、その違いだけで数百万円の税金が課されるケースもあるのです。

 

保険を受け取るということは、不幸があったということ。

ただでさえ非常時なのに、この名義が適正でなかったばっかりに更に追い打ちをかけられるような事態は避けたいものです。

 

この記事では、保険の受取持に失敗しないために『保険の契約形態と税金』のポイントをまとめていきます。

基本的には『契約者=被保険者』という形になっているのがベター。

契約者が夫で被保険者が妻、あるいは逆になっている方は要注意!

 

生命保険の契約形態:契約者・被保険者・受取人とは

まず、この記事を読み解く為に理解しておきたい保険用語について簡単に解説します。

保険契約においては、『契約者・被保険者・受取人』という概念が登場してきます。

保険契約上の登場人物

契約者

契約者は、その保険における全般の権利を持つ人です。

契約の『所有者』に近いイメージです。

  • 保険契約等の手続をする
  • 解約や名義変更などの権利を持つ
  • 保険料を支払う義務がある

 

被保険者

被保険者は、その契約における保障の対象となる人です。

その人が死亡したり、入院したりした場合に保険金が支払われます。

  • 保険が掛かっている対象の人
  • この人の一存で解約などをすることはできない
  • 契約者=被保険者という形もある

 

受取人

保険金が支払われる場合に、そのお金を受けとる人のことです。

  • 入院保険金の受取人は被保険者
  • 死亡保険金の受取人は、被保険者以外の指定した誰か
  • 受取人の指定・変更は契約者の権利

 

生命保険(死亡保障)の契約形態と税金の種類

では、保険の契約形態別の税金についてチェックしていきます。

よく契約者が誰で受取人が誰で・・・という形で分類されますが、重要なのは『誰のお金が誰に渡ったか』という点です。

  • 亡くなった人自身のお金が相続人に渡れば相続税
  • 自分のお金が自分に戻ってくれば一時所得(所得税・住民税)
  • 第三者に渡れば贈与税

というのが考え方の基本です。

 

遺された家族の生活を守るという観点から相続税が最も控除が大きく、一般的な家庭においては相続税の対象となるように名義を立てるのが原則です。

 

【基本的に正解】契約者=被保険者の場合:相続税

生命保険が相続税の対象となるケース

夫が自分名義で自分に保険をかけていた場合です。

この場合、お金の流れは『夫のお金が、夫の死後に相続人に渡った』ということになります。

つまり、課せられる税金は相続税

 

相続税は控除も大きく、ほとんどのケースで支払う税金が最も安くなります

  • 生命保険の非課税枠:500万円×法定相続人の数が非課税(妻一人、子一人の場合、1000万円)
  • 相続の基礎控除:他の相続財産と合算で『3000万円+600万円×法定相続人の数』が非課税(同、4200万円)
  • 相続の配偶者控除:配偶者が相続する場合、1億6000万円まで非課税(1000万円の控除と併せて1億7000万円まで)(※)

※配偶者の法定相続分額が1億6000万円を超える場合、法定相続分まで

ただし、『子がいるのに受取人が親』など相続人以外が相続する場合は非課税枠を使えず、相続税も2割増となります。(子がいない場合は親が受取人でもOK)

配偶者控除が非常に大きいので、配偶者が保険金を受け取るには他の相続財産と併せて約2憶円までは非課税となります。

 

子が受け取る場合には、他の相続財産や兄弟の人数によって大きく変わってきます。

配偶者がいる場合は配偶者が受け取る方が有利なので、子が受け取るのは配偶者がいない、つまり母子(父子)家庭の場合がほとんどです。

 

子が受け取る場合の相続税額をまとめると以下の通り。

保険金+相続財産子一人子二人子三人
3000万円0円0円0円
5000万円40万円0円0円
1億円920万円760万円640万円
1.5憶円2460万円2240万円2060万円
2億円4460万円4220万円3980万円
表の税額は、子全員が収める相続税の合計額です。

配偶者が受け取る場合に比べて税額が高くなってしまいますが、次の章以降で解説する一時所得・贈与に比べれば圧倒的に税額を抑えられます。

保険会社の人間は、契約者=被保険者のことを『契被同一(けいひどういつ)』と言います。

 

【要注意】契約者=受取人≠被保険者の場合:一時所得

生命保険が一時所得となるケース

妻が夫や子に保険を掛け、その受取人が自分である場合です。

この場合、お金の流れは『妻のお金が、夫(子)の死亡によって妻に戻ってきた』ということになります。

つまり、一時所得となり所得税・住民税が課せられます。

夫と妻が逆でも同様です。

 

ありがちなのが、実態上は夫の給与で支払っているけど、保険の管理は妻が行っているので契約者が妻名義というケース。

一時所得とみなされると、相続税の対象ではないため1000万円の非課税枠も1億6000万円の控除も使えません。

 

妻が専業主婦だった場合でも、5000万円の死亡保険金を受け取ったら約1200万円が税金でもっていかれてしまいます。

(所得税約700万円、住民税約500万円)

生命保険5000万円を一時所得形態で受け取った場合

  • 1000万円:約150万円
  • 2000万円:約360万円
  • 3000万円:約600万円
  • 5000万円:約1200万円
  • 1億円:約2700万円

保険金の額と、一時所得で受け取った場合に支払う場合の税金は上記の通り。(概算。他の収入があると変動する。)

一時所得:『(受取額 - 支払保険料総額 - 50万円) ÷ 2』が給与など他の収入と合算されます

 

『その金額があれば生活できる』と思って契約したのに、1000万円以上を税金で持っていかれて生活が成り立たない・・・

なんてことになったら、洒落になりませんよね。

 

名義が妻である以上、相続だと主張するのはかなり骨が折れるので予め契約者=被保険者の名義に変更しておくことをおすすめします。

保険会社にもよりますが、基本的には現契約者・被保険者両名が署名する書類一枚で完結します。

ただし被保険者が未成年の場合には契約者になれないケースもあるので、子の保険についてはこの限りではありません。

 

【要注意】契約者≠受取人≠被保険者の場合:贈与

生命保険が贈与になるケース

夫が妻に保険を掛け、その受取人が子である場合です。

この場合、お金の流れは『夫のお金が、子に渡された』ということになります。

つまり、課せられる税金は贈与税

妻と子が逆、夫と妻が逆でも同様です。

 

比較的レアなケースではありますが、これもまた税金面では圧倒的に不利。

 

5000万円の死亡保険金を贈与形態で受け取ったら2000万円以上が税金でもっていかれてしまいます。

生命保険5000万円を贈与形態で受け取った場合

  • 1000万円:231万円
  • 2000万円:695万円
  • 3000万円:1195万円
  • 5000万円:2289.5万円
  • 1億円:5039.5万円

保険金の額と、贈与形態で受け取った場合に支払う場合の税金は上記の通り。

 

この形で契約しているのは非常に稀ですが、金額によっては半分近くが税金で持っていかれてしまうことに。

もしこんな形で契約しているものがあったら、すぐに確認しましょう。

 

『その保険の名義、本当に大丈夫?|生命保険の契約形態と税金の関係にご注意』まとめ

  • 生命保険(死亡保障)は原則、『契約者=被保険者』の契被同一契約が有利。
  • 契約者と被保険者が異なると、高額の税金を取られることも。
  • 医療保険や、未成年者の保険であればあまり心配する必要なし。

特にネット保険だとアドバイスがないまま、入力した通りに契約が成立してしまいます。

不幸があった時に、税金で泣きっ面に蜂・・・なんてならないように、しっかりチェックしておきましょう。

 

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