都道府県民共済は全国39の都道府県で展開されていますが、その保障内容は原則として統一されています。
ただ一つ、埼玉県を除いて。
都道府県民共済の中で何故か埼玉県民だけは独自路線を突き進み、他県よりも手厚い保障を展開しているのです。
この記事ではそんな埼玉県民共済について、他の都道府県民共済と内容を比較していきたいと思います。
- 都道府県民共済の『総合保障2型』と埼玉県民共済の『新型・県民共済』
保障内容・掛金の似ているこの二つを比較していきます。
ココがポイント
- 埼玉県民共済は圧倒的に医療保障(入院・手術)が手厚い
- 障害保障の支払い条件や通院については都道府県民共済の方が優位
- 総合的には断然、埼玉県民共済がおすすめ
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都道府県民共済の『総合保障2型』と埼玉県民共済の『新型・県民共済』
都道府県民共済 | 埼玉県民共済 | |||
---|---|---|---|---|
プラン | 総合保障2型 | 新型・県民共済 | ||
加入年齢 | 18~59歳 | 15~49歳(※) | (50~59歳) | |
月々の掛金 | 2,000円 | 2,500円 | ||
割戻金(2017年度) | 39.08%(東京) | 47.75% | ||
実質の掛金 | 1,218円 | 1,306円 | ||
死亡 | 病気 | 400万円 | 500万円 | 400万円 |
交通事故 | 1000万円 | 1500万円 | 1200万円 | |
その他の事故 | 800万円 | 1500万円 | 1200万円 | |
後遺障害 | 病気 | - | 500万円(※) | 400万円(※) |
交通事故 | 最大660万円 | 1500万円(※) | 1200万円(※) | |
その他事故 | 最大500万円 | 1500万円(※) | 1200万円(※) | |
入院 | 病気 | 日額4,500円 | 日額15,000円 | 日額10,000円 |
交通事故 | 日額5,000円 | 日額15,000円 | 日額10,000円 | |
その他の事故 | 日額5,000円 | 日額15,000円 | 日額10,000円 | |
手術 | 入院 | - | 75,000円 | 60,000円 |
外来 | - | 15,000円 | 12,000円 | |
通院 | 病気 | - | - | - |
交通事故 | 日額1,500円 | - | - | |
事故 | 日額1,500円 | - | - |
詳細は以下の項目で解説していきますが、大きなポイントは以下の通り。
- 埼玉県民共済は50歳を節目に保障額が減少する
- 埼玉県民共済の後遺障害は『重度障害』が対象
- 埼玉県民共済には通院保障がないが、手術の保障がある
- 埼玉県民共済は『交通事故』と『その他の事故』を区分しない
月々の掛金(保険料):一見すると差があるが、割戻金を考えると僅差
- 都道府県民共済:月々2,000円
- 埼玉県民共済:月々2,500円
一見すると埼玉県民共済は月々2,500円とちょっと高いように見えますが、割戻率が47.75%と非常に高く実質的な負担額の差は非常に小さいです。
- 都道府県民共済:実質1,218円
- 埼玉県民共済:実質1,306円
その差、100円未満。
これは2017年の実績ですが、埼玉県民共済は比較的割戻率が高い傾向があるので月々500円の差は思ったよりも小さくなります。
ポイント
掛金の実質的な差は100円程度。
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加入年齢:どちらもほぼ同じだが保障の節目が異なる
都道府県民共済・埼玉県民共済共に64歳まで加入可能で、その後熟年型に切り替わって85歳まで保障されるという点は同じです。
違うのは、保障が引き下げられる年齢の節目。
以下の年齢を区切りとして、保障内容が段階的に引き下げられていきます。(59歳までに加入し、その後熟年型に切り替わった場合)
注目すべきは、埼玉県民共済の場合『15~49歳』と『50~59歳』が分けられているという点。
50歳になると保障が下がってしまう・・・のですが、それを加味しても埼玉県民共済は優秀です。(詳しくは以降の章で。)
ポイント
埼玉は年齢による保障が細かく区切られている
死亡保障:埼玉県民共済の方が厚い
- 都道府県民共済:病気400万円、交通事故1000万円、その他事故800万円
- 埼玉県民共済:病気500万円(400万円)、事故1500万円(1200万円)
※カッコ内は50~59歳
埼玉県民共済は50歳から保障が減少しますが、それを加味しても埼玉優位です。
とはいえ、掛金が高いことを考えれば当然と言えば当然なのですが。
ポイント
死亡保障は埼玉が少し手厚い
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後遺障害保障:埼玉県民共済が高額に見えるが・・・
- 都道府県民共済:交通事故最大660万円、その他事故最大500万円
- 埼玉県民共済:病気500万円(400万円)、事故1500万円(1200万円)
※カッコ内は50~59歳
埼玉県民共済が『病気が原因の後遺障害でも保障される・事故の場合も高額』と一見すると保障が手厚いように思えます。
しかし支払われる要件が異なるため、単純に比較することはできません。
- 都道府県民共済:障害の等級(1~13級)に応じて段階的
- 埼玉県民共済:重度障害の場合に支払い
埼玉県民共済は独自に『重度障害』という定義を設けているのですが、これは厚生労働省が定める障害等級における1~2級程度です。
(両眼の失明、内臓・精神障害による終身要介護、4つの手足のうち2つを失う・機能をなくす、など)
軽度の障害では支払われないが、重度の障害では高額な保障がある。
これをどう考えるかですが、個人的には『本当にお金が必要なのは重度な時なのだから、埼玉県民共済の方が良い』と考えています。
ポイント
支払われる範囲が広いのは都道府県民共済
重度障害時に保障額が大きいのは埼玉県民共済
入院保障:圧倒的に埼玉県民共済が優れている
- 都道府県民共済:病気日額4,500円、事故日額5,000円
- 埼玉県民共済:一律日額15,000円(10,000円)
※カッコ内は50~59歳
ただし、入院保障の支払い上限日数については注意が必要です。
- 都道府県民共済:病気124日まで、事故184日まで
- 埼玉県民共済:病気・事故共に120日まで
とはいえ仮に184日入院したとしても、受け取る総額は埼玉県民共済の方が大きくなります。
(都道府県民共済:5,000円×184日=92万円、埼玉県民共済:15,000円×120日=180万円、50歳以上なら120万円)
ポイント
入院保障は断然埼玉が優秀
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手術保障:埼玉県民共済だけ。都道府県民共済はナシ。
- 都道府県民共済:手術の保障なし
- 埼玉県民共済:入院手術75,000円(60,000円)、外来手術15,000円(12,000円)
※カッコ内は50~59歳
埼玉県民共済の大きな特徴として、都道府県民共済にはない手術の保障があることが挙げられます。
日帰り入院:入院日と退院日が同日だが、入院と同等の管理体制・設備などを使った治療。
保険としては、原則『領収書の区分が入院になっているか』で判断します。
最近は手術の際の入院も短期化し、簡単な手術ならば日帰り入院というケースも増えています。
埼玉県民共済なら、日帰り入院でも9万円(50~59歳は8.5万円)の保障。
これはかなり大きいです。
ポイント
手術の保障があるのは埼玉だけ。
通院保障:都道府県民共済だけ。埼玉県民共済にはナシ。
- 都道府県民共済:事故日額1,500円(14日以上の通院が対象)
- 埼玉県民共済:通院保障なし
※カッコ内は50~59歳
一方、事故による通院保障は都道府県民共済だけで埼玉県民共済にはありません。(病気はどちらもない)
もちろん、あれば嬉しいポイントですが・・・
- 入院・主述が圧倒的に手厚い埼玉県民共済
- 通院保障(日額1,500円)がある都道府県民共済
という比較をしてしまうと、どうしても見劣りしてしまいます。
ポイント
埼玉には通院保障がない
『埼玉県民共済は最強!?|他都道府県の保障内容と徹底比較』まとめ
- 死亡保障はやや埼玉県民共済優位
- 後遺障害は一長一短、最高額は埼玉県民共済
- 入院・手術保障は圧倒的に埼玉県民共済が優秀
- 通院は都道府県民共済のみ
決定的なのは入院と手術に対する保障で、正直これ一つあれば他の医療保険は不要と言っていいでしょう。
例え住所が他県であっても、もし勤務先が埼玉県ならば埼玉県民共済の『新型・県民共済』に加入すべきです。