保険

病気やケガで働けない、給料も出ない。そんな時は『傷病手当金』を申請しよう。

投稿日:2018年10月30日 更新日:

『病気になって、仕事を退職することになった。』

『ケガをして休職したが、その間は無給。』

 

こんな時、健康保険に加入していれば『傷病手当金』という制度で給付を受けられるかもしれません。

この記事では、もし働けなくなった時に生活を支える傷病手当金制度について紹介していきます。

 

簡単に言うと

業務外の病気やケガが原因で4日以上仕事ができない状態になり、その間の給与が支払われないと『給与月額の約2/3を最長1年6ヶ月間』受け取れます。

健康保険(社保)の被保険者本人が対象であり、『扶養されている配偶者』や『国民健康保険(国保)の加入者』は対象外です。

 

傷病手当金制度の概要

傷病手当金の概要

傷病手当金は、簡単に言えば上記のように『病気やケガで働けなくなった場合に給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給される』制度です。

 

支給対象となるポイント

  • 業務外の病気やケガが原因
  • 医師の診察等に基づき、仕事に就けない状態
  • 連続して3日以上仕事に就けない
  • その間の給与が支払われていない

裏返せば、以下のようなケースは支給の対象になりません。

傷病手当金の対象とならないケース

通勤中・仕事中の事故や、仕事が原因の病気:労災の対象となるため、傷病手当金は支払われません。

医師の診察に基づかない:自己判断での休業などは対象となりません。(正確には医師に限らず、療養担当者)

連続3日以上ではない:傷病手当金の支給は4日目からです。ここは少し複雑なので後述します。

給与の支払いがある:有休を使用している場合、会社の病休制度などで給与の支払いがある場合は対象外です。

『病気や怪我』には、精神的なものも含みます。

具体的に言えば、医師の診察があればうつ・適応障害なども対象。

 

『連続して4日以上仕事に就けない』とは?

傷病手当金が支給されるには、以下の流れが必要です。

  1. 病気や怪我の療養のために3日連続で休む『待機期間』
  2. その後、仕事に就けない『傷病手当支給期間』

ちょっと複雑なのが、『待機期間』と『傷病手当支給期間』で休むの条件が違うこと。

  • 待機期間:3日連続でなくてはいけない。有休や土日祝日も含む。
  • 傷病手当支給期間:有休は不可。途中出勤してもOK。(出勤日は支給されない)

ぶっ通しで休んでいる分には気にしなくて良い問題なのですが、療養・出勤を繰り返す場合にはこの点で支給される・されないが微妙に変わってくるので確認しておきましょう。

待機期間の考え方

図にするとこんな感じです。

(傷病手当金給付の『休』は給料の支払いがないものとする。)

 

支給額は『過去12ヶ月間の平均報酬月額』の2/3

傷病手当金の額は、『平均報酬月額』が基準になります。

病病手当金(日額)= 過去12ヶ月の標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3

毎月の給与に大きな変動がない方の場合は、およそ『支給総額(手取りではなく、税引き前の額)の2/3』だと考えて問題ないでしょう。

なお、傷病手当金は非課税所得なので実質的には手取りの2/3よりも多い額になります。

ただし健康保険料や住民税は免除されない為、負担する必要があります。

 

標準報酬月額と傷病手当金日額の早見表は以下の通り。

  • 月15万円:3,333円 / 日
  • 月20万円:4,444円 / 日
  • 月25万円:5,556円/ 日
  • 月30万円:6,667円 / 日
  • 月35万円:7,778円 / 日
  • 月40万円:8,889円 / 日
  • 月50万円:11,111円 / 日

 

過去12ヶ月の平均なので、転職や昇給などで変動した場合には以下のようなイメージになります。

傷病手当金の計算例

((30万円 × 3ヶ月 + 36万円 × 9ヶ月)÷ 12ヶ月 = 36万円)

 

なお、新卒入社したばかりなど健康保険の加入期間が12ヶ月未満の場合には・・・

  • 健康保険加入期間の平均
  • 28万円

のいずれか低い方で計算します。

加入期間12ヶ月未満の場合の傷病手当金額

下のケースでは標準報酬月額が30万円ですが、計算ルールによって28万円として計算されてしまいます。

(加入期間が12ヶ月以上であれば、ちゃんと30万円で計算される)

 

支給期間は最長で1年6ヶ月。退職してもOK。

傷病手当金の受給期間

傷病手当金を受給できるのは、最長で1年6ヶ月です。

それ以上の長期に渡って働けない状態が続いても、支給は1年6ヶ月で終了してしまいます。

 

正確に表現すると『傷病手当金を受給開始してから1年6ヶ月のうち、働けないために給与の支給がない期間』といった意味合い。

途中で働ける状態になって復職などした場合であっても、その期間も1年6ヶ月に含みます。

一度回復した場合の傷病手当金受給期間

つまり、極端に言えば『1ヶ月受給して復職、その1年4ヶ月後に再発などで再び働けない状態になった』場合、再発がどんなに長引いたとしても合計で2ヶ月間しか受給することができません。

 

退職した場合の取り扱い

退職した場合の傷病手当金

傷病手当金は健康保険の制度であり、国民健康保険には存在しません。

しかし傷病手当受給中に退職して健康保険の資格を失っても受給は停止されず、1年6ヶ月の間受給することが可能です。

 

ただし、一度働ける状態になった後に再発したものについては支給の対象外です。

この『働くことができる状態になった』とは、症状の回復のことであり、実際に復職・転職などをしたかどうかは関係ありません。

 

年金や手当金と重複すると、受給額が調整・支給停止される

傷病手当金の受給と以下の手当などの受給が重複した場合、支給額が調整されます。

(傷病手当金の方が少額の場合ゼロに、傷病手当金の方が高額の場合、差額のみ支給。)

  • 出産手当金
  • 老齢年金
  • 障害厚生年金、障害手当金
  • 労災保険

 

まとめ

  • 病気などで働けなくなり、その間給与の支払いが無い場合は『傷病手当金』が支給される。
  • 健康保険の制度なので、国民健康保険の方は対象外。
  • 金額は『標準報酬月額』の2/3。
  • 連続3日働けない『待機期間』後から支給の対象。
  • 最大1年6ヶ月だが、復職などした場合のカウントには注意。
  • 退職しても支給は継続されるが、一度回復すると再開はされない。

支給額は給料よりも少なくボーナスに相当するものもありませんが、もしもの時に生活を支えてくれる大切な制度です。

治療費は高額療養費で、生活費は傷病手当金で。

保険を考える上では、この二つの制度をしっかり抑えておきましょう。

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